fences
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言葉 + 音 (缶カラ三線) by Wesley Ueunten
(日本語
歌詞は、琉球民謡より)

recorded at annen annex, oakland ca.
mixed by shing02 + shuichi sugimoto
illustration by urban demographics


lyrics
対訳

Everywhere that I can see
Are chain link fences, barbed wire
Are we inside, are we outside
I can't tell, can you?

Overseas bases, internment camps
Prison industry, Gatekeeper
Guantanamo, Henoko
Security, not for you and me

I've learned to close my heart
To shut myself in, shut myself out
I've build my own fence
I don't feel, but yet I bleed

思って通らば
千里も一里
会わん戻らば
元の千里

渡海や隔めても
照る月や一つ
あれも眺めゆら
今宵の空や

Even in these darkest times
Love will shine, shine through
No fence can hold us in
What goes up must come down,
what goes around comes around

見渡す限り
金網、有刺鉄線
中にいるのか、外にいるのか
僕は分からないけれど、君は?

海外基地、強制収容所
刑務所産業、国境警備隊
グアンタナモ、辺野古
防衛は誰のために

私は心を閉ざすことを学んだ
中に篭って、外を遮断する
自分の柵をつくってしまった
何も感じないが、血を流している

あなたを想って通えば、
千里の距離も一里になる
会わずに戻れば
また元の千里

海に隔てられても
照る月は一つ
一緒に眺めているだろう
今宵の空を

この暗い時代に
愛は光る、光り続ける
私たちは、どんな柵にも捕らわれない
上がるものは、落ちる運命にあり
人の行いには、報いが訪れよう



缶カラ三線=かんから さんしん

三線とは、主に沖縄で使われている三味線のことを言います。中でも、缶カラ三線というのは、缶を使った三線です。
普通の三線と違って、チューニングが難しいところもありますが、そこが返って風情のある音を奏でます。
沖縄人の心を詠う民謡は、
日本のブルースと言っても良いでしょう。

缶カラ三線と言えば、多くの人は沖縄戦争(1945年の4月から6月)の後に、物資が不足していた時期のことを連想します。沖縄の人たちは、米軍が捨てた缶などを使って、三線をつくったのです。
しかし、缶カラ三線は遠く日本を離れた地でも、同じような境遇でつくられていました。沖縄を飛び出た、ハワイへの初期の移民たちや、第二次世界大戦中にアメリカの収容所に強制的に入れられた日系ラテン・アメリカ人たちも、缶カラ三線をつくっていたと言われています。それぞれ、故郷を想って楽器をつくったのでしょう。



Wesley Ueunten (上運天 巌) プロフィール

うえうんてん・うぇすりー・いわお
ハワイ州カウアイ生まれの沖縄三世。川崎と沖縄に10年間住み、三線を名渡山兼一先生に学ぶ。
現在は家族とカリフォルニア州アルバニー市に住み、「絃
友会」の一員として活躍している。
サンフランシスコの大学で教員を務める傍ら、UCバークレー大学で、民族学の博士課程を取得中。

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