絵.夢.詩

MCの絵は芸術家が描く絵なり 想像の筆をとって、素手で取って掴んだ、現実を己の、この俺の頭にしまいこみ、重いまぶたの鎧かぶとを装着 視界を越えた理解を得たらその時攻略する迫り来る雑念、それらを全て消し、そこに見える景色を一瞬にして描くべし 摂氏0度から始まる氷点下、焦点が定まらない はまらない枠の中の絶景かな設計からやり直しの青写真、除々に浮かび上がる作品の顔写真 モンタージュ、脳に焼きつけるネガ それを元に手が再現 無限の色彩を操る言葉の鬼才 目は光を分解するプリズム、二次元の世界に魅せる言葉のリズム

三木はDJ、隣の真吾は MC、二人高く揚げる拳 描く夢は全て塗りつぶし、心歌う日本の武士

MCの夢は世の人の観る夢なり 現実の世界に観る胡蝶の夢、睡眠中に垣間見る別世界の夢 見たことのある風景、逢ったことのある人物、聞いたことのある会話 未来は自分の意識で観れる映画、ビジョン 自分の霊が旅する未来のシナリオ 耳鳴りを高める現代の物語の展開 めくるページ、夢を解読して受けるメッセージ、神からの啓示、満たされる精神のゲージ そして夢を餌に生きる動物我等がMC、バク.発する潜在・予知能力 光を発する頭のマッスルが動き出す かき分ける記憶の山、混ざっている宝石とガラクタ 自分が主人公、キャラクターにズームする白昼夢が点灯 静かに回る走馬灯 断片的な映像の短編が作り上げる人生の長編大作ノンフィクション

MCの詩は詩人の創る詩なり 我歌いて以て志を詠わん 否定できない日本の過去、つまり今繰り返そうとしている歴史 時代は平安、九世紀・日本文学創世記 それまでは唐の国、今の中国から全て受け入れていた文学、芸術、そして紀貫之によって定められた国風文化、見い出された日本語の美しさを示唆 同時に発達したかな文字、独自の詩を創りだした世代 改革されていった言葉、後鳥羽天皇が万葉集を使って行った初のサンプリング技術、まぎれもない事実、古き「ことば」に新しき「こころ」を吹き込む技巧 ゆえに昔中国からした様に今アメリカから独立しなければいけない大和民族のヒップホップ、今繰り返そうとしている歴史 日本人が詩を書く民族だという事を忘れてはならない 血に残っている詩人の遺伝子、詩が武器の戦士 戦後から変わった言語、今意志を使って言葉を選ぶ、潜在(洗剤)意識、心で選択(洗濯)、つまり洗脳する力 ペンの刀は二枚刃、そして見えない敵に向けるそのヤイバ!