S02-2102

水素分解エンジン全開、急激な展開
こちらS02号、全て了解
応答は確認せり これから現場急行
ネオ東京発、クアラルンプール行きテレポート空港
渋滞200メートル上空 時速と区域オーバー
監視カメラ横目に斜めにゲートに滑り込み縦列駐車
例の物は防磁気ジャケットの中 荷物検査通過
もうじき出発時刻 遅刻のシナリオは46.5%
移動時間を圧縮
指定座席はA-1カプセルの先頭 定位置に乗り込む
システムと連動 量子情報変換終了
真空バッファ突入 テレポート開始
目的地到着 空港からロボットハイヤー
目印は旧市街の夜空に浮かぶ光ワイヤーの真下
高層ビルの狭間の古いコンクリート造り
正面の通りには異様な人だかり
裏道まで急降下
下車の最中、先方から早速催促の連絡がスクリーンに割り込む
裏口のコードを送信するよう返答する
暗号化レベルは8、この件は急を要する
案の定、ドアの向こう警戒した警備員
「どうやってコードを手にれた?」
証明書一発で黙らせる
残り二分を切った、 受信した見取り図を表示
先方が待つ地下一階 頭文字Nが名字
残り一分、 踊り場でスタッフと合流
やはり配線が問題だと言う、答えは新たな電源供給
走りながら最終確認を行う
現場のスペックは何か
クライアントの精神状態はどうか?
40秒、係員と廊下を抜け関係者の待つロビーに登場、緩む緊迫した表情
30秒、現場に備え耳栓を装着
不可能な任務遂行、残り20秒で到着

三次元アラームがウザい
無重力ベッドを消してブラームスのボリュームを下げる
何か嫌な予感がする
時刻はゾロ目の2、着メロに不在通知の知らせ
調べると当局がドアまでやって来た直後
外の午後の日差しは低い
防菌帽子を深く被り、アジトを後に
バイクは昨日レッカーされたまま
仕方なく公共手段を利用
改札で親指を照合、公共クレジットが底をつきそう
行きしなに通知内容を再確認
ある小包の受取人としてのリクエスト
しかし身に覚えはない これは当局の陰謀か
それとも誰かが仕組んだ巧妙なサイバートラップか?
独自ルートで差出人を探る ネットにプローブを放つ
IDをマスク、セキュリティと話す
二分後にパケット受信、そのハンドルネームは
「M.O.T.H.E.R」 マザー
まずはこれで謎が解けた
小包はキャリアが当局本部に持ち帰っている模様
トラッキング・データによればエプサロン地区でインターセプト可能
一旦、地上に出て低空バスで追う
β地区を抜け考える:
例の内容は厳重に包装して外部にリークしていないだろうか?
そうこうしているうちに輸送車を発見
走行中のバスから歩道に飛び降りてご対面
案の定、防弾ガラスの向こう
「パッケージに何の用だ」
証明書一発が通用しない!
しょうがない、再びネットにアクセス
バッジナンバーを確認、デリバリー記録に侵入サクセス
リクエストをキーにジョブのキューに割り込む
勝負は一瞬で決める、コムポートを開く
今度は笑顔で応対、こうして受け取りは完了
足跡を消して、直ちにアジトに帰還すべし