鶴の現状について

鶴は、世界で最も古い鳥の種族であり、平和と長寿、幸福をあらわす鳥として、世界各国で敬われています。丹頂鶴 (Grus Japonensis ) は日本の国鳥でもあり、千円札にも姿があります。その繊細な美しさと特徴ある個性が故に、古代から特別な想いを寄せられてきました。鶴は、南極と南アメリカを除く5大陸の湿地帯に生息します。ロシアの北端で普段過ごしている鶴は、越冬のために長い距離を南下して、中国、イラン、北海道で冬を越します。鶴は興味深いことに、無人である南北朝鮮非武装地帯の湿地帯にも生息し、渡り鳥のマナヅル(真鶴)などは非武装地帯を経由して、中国南部の湿地と九州の鹿児島県出水市荒崎の湿地に渡りをしてくるそうです。

しかし、15種類の鶴のうち、7種類が絶滅の危機に瀕しています。その主な由として、生息地帯の減少、環境汚染、狩猟などが上げられます。釧路湿原は日本で鶴の生息している貴重な区域ですが、ここにも道路を通そう、という計画が認可されてしまいました。

夫婦間の絆が深いのも鶴の特徴です。お互いにこれ!と思う相手を見つけると、一生添い遂げます。 一年に二個卵をうみますが、大人になることができるのは、そのうちの一匹がいいと ころです。卵を温める時期には、雄と雌が二時間ごとに交代で暖め、夜はお母さんが 卵を抱き、お父さんは敵がこないように隣で目を光らせて休みます。天敵の人間にやられなければ、25歳から30歳まで長生きします。


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