composed by Zaion
from debut album: Nomadic Journals coming soon
written by Shing02


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Organ Trip

僕は窓越しに見つめている、
窓越しに見つめている人たちを
ベロアの気持ち良いベッドに横たわり
夏の陽に色が盗まれても
街は涼しげな雰囲気を醸している

車の反射が
色々な方向に交差して
七年の小節で年が過ぎて行く
ボンネットの音も洗練されて行く
通りは舗装され、レンガは壊されるか保存されて
個人商店はモールやアーケードに消えて行く
すると輝いている眼に気が惹かれた
少年の顔は好奇心と不思議に満ちていた
彼が入ってくるとポケットのお釣りが鳴った
店主に話しかけると、静かな応対だった
少年は急にこわばって、
控え目になって慌てて飛び出した
それでも彼は毎日僕のことを見に来たんだ
コインを入れる望遠鏡みたいに
するとある日、店主は僕に赤いタグをつけた
少年が次に来た時、すごくショックを受けていた
それでも彼は毎日僕のことを見に来たんだ
時には自転車で走りながら
時には止まって、挨拶をするためだけに
ある時は肩を落として、ため息をついた

僕は窓越しに見つめている、
窓越しに見つめている人たちを
ベロアの心地良いベッドに横たわり
秋の葉っぱが色褪せる時
街は悲しい雰囲気を醸している

サイン入りのベースボールカードのコレクションが
少年の情熱を失って
月日が過ぎて彼は少し背が伸びた
彼の服は古びていた
稼いだお金をすべて貯めていたから
モールやアーケードで二つの仕事をかけもった
そしてある日、少年がバンと店に入ってきた
新札をカウンターに乗せて老人に頼み込んだ
店主は近寄ってきてタグを外した
ゴミ箱の中の文字は「売約済」と書いてあった
少年の笑顔はトラックいっぱいの金塊よりも明るかった
老人は彼にウィンクをして、頷いた
新しい布に包まれて、箱に入れられた
自転車の後ろに丁寧に縛られた
始めは新鮮な空気が怖くて
でこぼこの道を出発した

常緑樹のトンネルを走り抜けて
見たこともないお洒落な邸宅を過ぎて
郵便局の近くのアパートに滑り込んだ
でもエレベータが閉まってて張り紙があった
階段を六階までかけあがり
玄関を開けて、彼の部屋へ
楓の机の置かれて
ケーブルを繋げて、トグルスイッチがオンに
電気がくすぐったかったけど、昔の記憶が蘇り
ちょっと可笑しくなって少しのノイズが出た
内気な指がファズの乗った音を弾いた
二本でメロディー、三本でコード
いや、僕はモノフォニックなキーボードなんだ
鍵盤のひとつが固くて、もうひとつは音が途切れ気味でも
彼は気にしてないようだった
何故なら、僕たちは運命的な出会いをしたんだ
少年は僕を一生懸命拭いてから、言った
「一緒にきれいな音楽をつくろうね」

僕は窓越しに見つめている、
窓越しに見つめている鳥たちを
ベロアの気持ち良いベッドに横たわり
冬の霜が色を広げる時
街は幸せな雰囲気を醸している


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